愛毒が溶けたら
「すみません、ありがとうございます……」


周知で顔を赤くした私。ありがたくテイッシュを使わせてもらおうとした、その時だった。


「冬音ちゃん⁉」

「え――」


息を切らせた、お巡りさんの姿。

交番の入り口で帽子を落とした事にも気づかず、泣いている私の前に、走ってやってきた。


「どうしたの! 何かあったの⁉」

「え、や、あの……っ」


ビックリと、会えた嬉しさと……あとは分からない。だけど、複雑にシェイクされた感情が、一気に目元に集まって、


「本当に、なんでもないんです……っ」


私は、また泣いてしまった。

もちろん、お巡りさんはビックリした。「一体なにが」と辺りを見回す。

すると、その時。
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