お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
衝撃の事実
「で。どうして勇運が、ココにいるの?」
「……」
え?
お巡りさん、今……「勇運」って言った?
キョトンとした顔のお巡りさんと、不機嫌な顔の勇運くん。
しばらく二人が見つめ合った後。勇運くんはため息をつきながら、もたれていた壁から背中を起こす。
「家の鍵、忘れてただろ。母さんが心配してたぞ」
「わ、ありがとう。締め出しに合うところだったね」
「なにが締め出しだ、帰ってくるのは朝だろ。今日の夜も仕事のくせに」
「まぁ二十四時間勤務だからね~」
「……」
二人の会話に、目を丸くした私。一方の柴さんは「さてさて」と、別の仕事に取り掛かっていた。
っていうか。
「家の鍵」って言った?
「母さん」って言った?
つまり――……え⁉
プルプル震える手で、お巡りさんと勇運くんを交互に指さす。