お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
勤務明けのデート?
私たちの前を、勇運くんがダッシュで去って、しばらくした後。
リビングのソファで寛いでいると、ピコンとメールが入った音がする。
「あ、勇運くんだ……」
宛先に「一葉 勇運」と表示されている。中身を開くと……
【さっきは悪い。家に着いたから、安心しろ】
ぶっきらぼうだけど、やっぱり優しい勇運くんの文章。
無事に家に着いたんだっていう安心感と、メールを打ってくれたんだっていう喜びと……それらが合わさって、「はぁぁ」と、大きなため息をついてしまった。
すると、料理中のお母さんが「なーに?」と、長ネギに切れ込みを入れながら尋ねる。
「やっぱり学校で無理したんじゃないの? 大丈夫?」
「それは、うん。問題なかったよ。放課後、ちゃんと交番も行けたしね」
すると、お母さんは「そっか」と。安心したように笑った。