お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
「ねぇお母さん。”カッコイイ”と”安全”だったら、どっちを取る?」

「そんなの決まってるでしょ――…………っ」

「……お母さん?」


何で無言?
不思議に思って、振り返る。

すると――


「目が、目がぁ~っ」


どうやら、長ネギを切り終えたらしいお母さんは――ネギ特有のアレに悩んでいた。目を瞑って「痛い」を繰り返している。


「うぅ、これだからネギは~」

「とりあえず包丁を置こうか、お母さん……」


ソファを立った時「次のニュースです」と、ちょうどニュース内容が変わった。あ、録画しておけばよかった。そうしたら好きな時に、見返せるのに。


「って、何ヘンタイみたいな事を言ってるの、私……!」

「冬音、早く来て~」

「はい、はーい」


晩ご飯の手伝いを始めた、その時だった。


ピコン


勇運くんから、メールが届く。

その内容は……
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