愛毒が溶けたら
◇
そのモヤモヤは、翌朝の土曜日も変わらなかった。
せっかくの休日だから、パーッと遊びたいけど……そんな気分になれない。
「お散歩でもしようかな」
家の窓から外を見ると、眩しいくらいの太陽が照り付けていた。
一月の気温は寒いけど……。お日様の下を歩くのは、きっと気持ちがいいはず。
「お母さん、ちょっと散歩に行ってくるー」
「――え?」
その時、お母さんの顔が引きつった。ピシッと、まるで岩みたいに固まっている。
「ど、どうしたの?」
「ダメよ、外になんか絶対に出ちゃダメ。一人でしょう?」
「えっと……一人、じゃないよ?」
お母さんの心配性に、何やら拍車がかかっている。
本当は一人で行く予定だったけど、仕方ない――エア約束を、召喚しよう!