愛毒が溶けたら
時間は……ちょうど九時。


「どこを歩こうかなぁ……、あ」


そうだ。いつか守人さん達にお礼をしたいと思っていたから、お店に行こう! 何を買うかは、そこで決めるとして……。

でも、大人は何をもらったら嬉しいんだろう?


「え~っと、”大人へのプレゼント”で検索っと」


すると、ゼロが何個もついてるカバンやら腕時計やらが出て来た。け、検索ワードを間違えた……。

「こんなの買えるわけないじゃん」と、慌てて画面を暗くした――その時だった。


「あれ? 冬音ちゃん!」

「え?」


声のした方を見ると、制服に身を包む守人さん。交番の中から、私を見て驚いた顔をしていた。


あ。「お店」を目指したのはいいけど、お店に行くまでに交番を通るんだった!


わあぁ、どうしよう。
適当な服で来ちゃったよ!
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