愛毒が溶けたら

「お、おは、おはようございます……っ」


交番に入らない、入口ギリギリの距離まで近寄る。

すると、中には守人さん、柴さんがいて、どちらも「おはよう」と返してくれた。


二人とも顔に疲れが浮かんでいて……。とっさに、昨日の言葉を思い出す。


――二十四時間勤務だからね


「本当に、一日中の勤務なんですね……」

「はは、仕事だからね。でも、そろそろ交代の時間だから。

にしても冬音ちゃん。どうして一人で外に?」

「……え?」


それって、どういう事ですか――と聞こうとした時。

ちょうど、交代の人がやってきた。

二人で何やら話しながら、私の横をスッと通る。


そして私の耳は――


意味深な言葉を、キャッチしてしまった。
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