小説
小学生の頃にブランコで誰がどこまで高く漕げるか勝負した事があった。
こんな紐と木の板で作られた安っぽくて不安定な物じゃなく、鎖を使った安心感のあるブランコで。
結局勝ったのは私じゃ無かったけどね。
それでもあの頃は楽しいこと、好きな事だけを考えられたから楽しかった。頭の中はまだ小学生の絵日記みたいな事を言っているけど。ここから飛び降りたらまた戻れるのだろうか、女子高校生はもう飽きた。
やめた方がいいと思うよ?
「知ってる。今の方が100倍マシ。
麦わら帽子はどうしたの?
「落とした。
ふーん?
なによ。私は何でも知ってますって顔しちゃってさ。
そりゃ知ってるよ。私は貴女なんだから。
「…私、あんたのこと嫌い
知ってる。私も貴女のこと嫌いだから。
この世界は不安定すぎる。支えが足りない。
まあ、紐が2本だけだしね。
「だからうるさいって。

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