小説
つい夢中になり読みふけってしまった。
こんなに小説に集中したのっていつ以来だろう。小学生の頃かな?覚えてないけど。
読むのをやめた理由は周りが暗くなり始めたから。
「太陽無かったのに雨は来るんだね。
映画館に来ていた。
目の前には大きなスクリーンがあり、壁全面が鏡ばりになっている、気味が悪い部屋。その天井を見上げると永遠に伸びているように思えた。その天井からは室内なはずなのに雨が降ってる、と思う。確信が持てないのは私の制服が濡れていないからだ。
私の2つ左隣に少女が傘を持って呑気にただチカチカ光っているだけのスクリーンを見ながらいい子に座っていた。
途中まで読んでいた文庫本に折り目をつけて空白の右の席に置いて少女を睨みつけた。ちなみに栞は持っていない。
「そんな顔しないでよ。可愛いかをが台無し。
「…だってこの本。
「読んだの?
「読めって言うからねり
「何処まで?
思い出しながら少女でも分かりやすい言葉を頭の中で取捨選択しながら説明しする。

< 13 / 26 >

この作品をシェア

pagetop