小説
やあ。おはよう。気分はどうだい?死神青年。
「最高だよ。車酔いしてるみたいに気持ち悪い。
それは何よりだ。私は君の事が心配で心配で、朝も昼も夜もご飯を食べなかったくらいだよ。
「食べる必要があるのか?
もちろん無いとも。冗談さ、君に喜んで欲しくてね。
「余計吐き気が増したよ。ありがとう。
礼には及ばないよ。その代わりといっちゃなんだけど、頼みを聞いてくれるかい?
「僕が慰謝料を求めても足りないくらい謝罪して欲しいんだが。
おや?謝らなければいけない理由は何一つ無いと思うけど?特に君に対しては。特にね。
「わかったよ。頼みってのは?
話が早くて助かるよ。まずはお茶にでもしよう。なにせ、時間はいくらでもある、ゆっくり話し合おうじゃ無いか。
「…これに座れって?
ご不満かい?
「いや…
君の大好きな少女じゃ無いか。遠慮しないでくれたまえ。
「…
そんなに睨むなよ。
「それで頼みってのは?
ああ。そうだったね。どこから物語を話そうか。君と出会った日の事でも語り合うかい?
「んな事どうでもいい。
怒らないでくれよ。話さないと読者が理解してくれないだろ?皆んな平等に優しくするのが取柄なんだよ。
「おのずと分かるだろ。今は依頼が重要だ。内容によっては料金の上乗せも考えてもらうぞ。
相変わらず冷たいね君は。大体の察しは付いているんだろ?
「また物語についてだろ?
大正解。君は賢いな。
「僕が聞きたいのはそのタイトルだ。
今回のは少し違う。会って欲しい人物が居るんだ。
「人物ね。
そう。主役?ヒロイン?登場人物?あるいは神様かな。まあ、言い方は何でもいい、兎に角。人物だ。

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