小説
三秋と付き合ってからも時間は止まらなかったが人の噂も何とやらだ。事件の事は
時が経つにつれて過去へと仕舞われていき、今となっては佐野意外誰1人として記憶の中から抹消されていた。高校生の脳みそ程コスパの良い物は無いな。秋になれば晴れていても勉強に勤しみ、冬になれば雨でもクリスマスデートを。そして春には卒業式だ。校門前で最後なる制服を着て写真を撮る佐野と三秋。蓋を外すとポンっと鳴る黒い筒を持ちながら夕食は卒業祝いのディナーの約束をする、高校生にしては少し背伸びしてる。
イチャイチャしやがって。
家に着くき上着を脱いでいる佐野の部屋に着信音が響く。
つい先ほどまで手を繋いにながら帰った三秋凛からだった。
けれど声の主は三秋凛の祖母と名乗る者から凛が首を吊り亡くなった事を告げられたのだ。縄を2本も使ってまで。

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