小説
絵具をキャンパスの中に収めることが出来なくて壁に飛ばしてしまったり、床にこぼしてしまったことがあった。
モナ・リザや星月夜、ゲルニカなどは言わすもがな有名な作品だけれど、その道を通ていない僕からしたら幼稚園児の描いた落書きに見えてしまう。正直、僕でも描けるんじゃないだろうか、もしかしたら僕の方が上手いんじゃない?などの
考えを一度は誰でも持ったことがあるだろう。そう信じたい。
そして今、僕の中だけで芸術作品が生まれている。正確には読んでいる文字を自分なりに想像しているだけなのだけれど、やっぱり才能があるのではないだろうか。
三秋凛の祖母から電話の内容を聞いた佐野冬樹は急いで三秋家に向かった。
祖母に案内された三秋凛の部屋は赤一色だった。壁や床、天井にも赤が飛び散っている、三秋凛からも赤い血がしたたり落ちていた。
まずは真ん中にぶら下がっている三秋凛を下ろさねばと思い部屋に入った時、佐野冬樹の足元に何かゴロッとしたものが転がった。
その時初めて気が付いた。三秋の母がいないことに。
祖母が持っていた遺書を見せてもらった。
こうやって書くんだな、しかも結構文字汚いかも。
「…あれ?確か宇宙の教室にいたよな。
「やあ、青年。ん?どうしたんだいそんな顔して。知り合いが自殺でもしたのかい?
いや、いやいやいやいや。あんた何してんのこんな所で。
モナ・リザや星月夜、ゲルニカなどは言わすもがな有名な作品だけれど、その道を通ていない僕からしたら幼稚園児の描いた落書きに見えてしまう。正直、僕でも描けるんじゃないだろうか、もしかしたら僕の方が上手いんじゃない?などの
考えを一度は誰でも持ったことがあるだろう。そう信じたい。
そして今、僕の中だけで芸術作品が生まれている。正確には読んでいる文字を自分なりに想像しているだけなのだけれど、やっぱり才能があるのではないだろうか。
三秋凛の祖母から電話の内容を聞いた佐野冬樹は急いで三秋家に向かった。
祖母に案内された三秋凛の部屋は赤一色だった。壁や床、天井にも赤が飛び散っている、三秋凛からも赤い血がしたたり落ちていた。
まずは真ん中にぶら下がっている三秋凛を下ろさねばと思い部屋に入った時、佐野冬樹の足元に何かゴロッとしたものが転がった。
その時初めて気が付いた。三秋の母がいないことに。
祖母が持っていた遺書を見せてもらった。
こうやって書くんだな、しかも結構文字汚いかも。
「…あれ?確か宇宙の教室にいたよな。
「やあ、青年。ん?どうしたんだいそんな顔して。知り合いが自殺でもしたのかい?
いや、いやいやいやいや。あんた何してんのこんな所で。