小説
物語の中で会うのは久しぶりだったから、少し戸惑ってしまった。
だって、月がどうとか、黙ってとか言っていたし。
見た目は相変わらず美人だけれど。
街は夕暮れにさしかかっていた。
公園のベンチから見える夏の夕焼けは最高に綺麗でもうこれで終わってしまってもいいくらいには見とれていた。
隣には美少女が座っていることも青春間を感じさせる。
「さっきの靄は?
「おいてきた。折角だからね。
「それで調子はどうだい?青年。いや、今は死神になったんだっけ?
「君は女子高校生のままなんだっけ?
新しい世界で生まれた青年、月島新。今は死神稼業をしている。
神様の3つ目の新作だ。
2つ目に出された「いきついた場所」の続編としてぼくが生まれ、「いきついた場所」のヒロイン、白川夏未に先ほど出会った。
「私は多重人格の少女って設定らしい。さっきのは私だけが見ていた世界だからきにしないで欲しいかな。
「靄に見えていたのは僕の友達だろう。恐らく女子高校生の世界観には存在しないから靄に見えたのかもいしれないな。
「なるほど。ちなみになんだが、その、恋人に似た関係の登場人物はいるのか?
「ん?まあ一応存在しているが…女子高校生が気にするほど進んではいないよ。
「そうか、よかったよ。
もう少しで夜が来る。僕の右手を美少女の左手に重ねる。
「私の予想だけど、神様はまた私たちを恋に落とそうとしている。
「そうだろうね。
美少女の黒い瞳に僕が移った。
こんな顔してたんだな。
「青年はキスをしたことはあるかい。
神様が望まなかった没落青年と失敗作の女子高校生。
新たな居場所を送られたとしても、それはそれだ。
僕らの事は僕らが決める、シナリオなんかなくても青春なんて、いつでも、どんな場所でも、どうなっても、作ることができる。
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