たゆたう、三角関係
私と別れてからすぐに2年の後輩と付き合い始めた晴人。
噂によると女の方から告白したらしい。
二人が並んで歩くのを見るたび、私との思い出が上書きで塗りつぶされたような黒い気持ちになった。

内部進学する晴人と、外の大学を受ける私。
推薦でほぼ決まったような晴人と、一般入試の私。
高3を前にケンカが増えた。

それは些細なことで、大きなことだった。

会えないとか、不安を分かち合えないとか。

きっと晴人にとって私がつまんなくなったのだ。「もういい」と最後に彼は言った。

「もう俺たち無理だよ」と。

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