たゆたう、三角関係
コンビニでアイスと飲み物やつまみを買うと、私たちは来た道を戻る。

ただの一本道をまっすぐ行けば、てつじさんのアパートだ。
帰り道、なんとなくそんなに話すこともなく歩いた。

藤くんの手から下げられたビニール袋だけが元気にぷらんぷらんと揺れている。

数台タクシーが通るのみで、それ以外は辺りは真っ暗になる。

「ゆうのすけさんさ、すごいよね」

彼は突然切り出してきた。

「うん、ちょっとね」
「どうなの、ゆうのすけさん」
「んー、好きではないかな」

私の答えに藤くんが口元に悪い笑みを浮かべる。

「そっちこそさ、ミクさんすごくない?」
「すごいよね、あの人ボディータッチすごいんだよ」
「知ってる知ってる、ドキッとするの?」
「うん、何だろう、胸キュンの方のドキッじゃなくてビックリの方だけど」
「ミクさんのことはどうなの」
「いやー、でもそんなんで意識してたら勘違いの連続でしょ」

そこまで言って藤くんは私の方を見る。

「例えばさ、さっきから腕当たってるけど気付いてんのかな、当たって嫌だったら当たらないようにするよな、じゃあ嫌じゃないのかな、とか」

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