たゆたう、三角関係
藤くんの部屋は汚れ過ぎてるわけでもなく、オシャレなわけでもなく、部屋の角に雑然と紙袋やビニール袋が集められていて、ベッドと机だけはスペースを確保している、といった具合だった。
彼は「お父さんもお母さんも朝から出掛けてる」と言っていた通り、彼の家には誰もいなかった。
お姉さんは数年前に家を出て一人暮らしをしていると言う。
彼は部屋に干されていた洗濯物を、私の視線を気にしてか雑に集めると、たたむわけでもなくベッドの上に山のように置く。
小学生から使ってるような学習机に、大学で使ってる見慣れた本たちが並べられている。
彼は机の上に置かれたビニール袋の中から本を2冊取り出して、1冊を私に渡す。
文学の授業で課題とされていた小説だ。ただでさえ薄く、さらに短編小説が5本入ってるから一つ一つの話はすごく短いようだ。
彼は「お父さんもお母さんも朝から出掛けてる」と言っていた通り、彼の家には誰もいなかった。
お姉さんは数年前に家を出て一人暮らしをしていると言う。
彼は部屋に干されていた洗濯物を、私の視線を気にしてか雑に集めると、たたむわけでもなくベッドの上に山のように置く。
小学生から使ってるような学習机に、大学で使ってる見慣れた本たちが並べられている。
彼は机の上に置かれたビニール袋の中から本を2冊取り出して、1冊を私に渡す。
文学の授業で課題とされていた小説だ。ただでさえ薄く、さらに短編小説が5本入ってるから一つ一つの話はすごく短いようだ。