たゆたう、三角関係
紗里と悠馬は砂浜に荷物を置くと早々に水着になり、海へ駆けていった。
遅れて私たちも着替え、わざわざ更衣室前で待ち合わせして一緒に海へと向かう。

上は白いオフショルダーの水着でフリルが胸元を隠してくれるものを、下もフリルで腰回りを隠すようなスカートタイプのものにした。

更衣室を出ると、カーキのシンプルな海パンに着替えた藤くんが立っていた。

「いいじゃん」と彼は言ったけど、すぐに私から目を逸らして海へと歩き始めた。
砂浜からはビーチサンダル越しに熱が伝わってきて、焼きそばでも作れるんじゃないかと思うほど熱い。

海に入る前に、浮き輪のレンタルが目に入る。藤くんも同様のことを考えたらしい。

「借りよ、借りよ」

藤くんは私の答えを待つこともなく颯爽と向かっていく。私が隣に並ぶ前にビーチパラソルとビーチベッドと浮き輪2つを次々と注文していた。

「そんなに借りるの?」
「だって暑いもん、日に焼けるし」

サクッとお金を払うと、よく日に焼けたおじさんからレンタル品を一式渡された。

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