たゆたう、三角関係
16時には疲れ果てた体を休めるために、それぞれの宿泊先に向かった。それでも19時には予約した居酒屋に集まる予定だ。

日焼け止めをこれでもかと塗った効果か、悲惨なほどの日焼けにはならなかった。藤くんは塗り残した首の裏が真っ赤になっていた。

ビーチから歩いて行けるところに真っ赤な屋根のコテージはあった。
途中オーナーに連絡し鍵を受け取ると、私たちはすぐにコテージに入る。

ロフトがあり最大4人まで泊まれる仕様で、2人だとかなり広々と使える。荷物を隅に置くと私は思わずシンプルな造りの木造のベッドに倒れた。目を瞑ると今にも寝てしまいそう。

「疲れた?」
「疲れた」

横になる私のすぐ傍に藤くんも座る。

「寝たら?」
「起きれるかな」
「起こすよ」

そう言ってくれたから、私は甘えて目を閉じた。

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