たゆたう、三角関係
三年のゆうのすけさんが一次会の後半からずっと私の隣にくっついて離れないことに、少しうんざりしてた二次会の終わり。

私は掘りごたつ席の壁側真ん中に座り、酔いが回る脳みそで晴人のことを少し思い出していた。

晴人と別れてから急に増えた誘い、紹介、繋がり。

「彼氏となんで別れたの」

ゆうのすけさんは少し私に寄り掛かるようにして今日3回目の質問をまた口にした。
右腕をさりげなく後ろにずらして接点を減らす。

「ちょっと進路で方向性違ってケンカが増えたっていうか」
「もう会ってないの」
「会ってないですねえ」
「より戻そうって話もなし?」
「今もう向こうには新しい彼女いるんで」
「えー」

ゆうのすけさんは表面上驚きながらも私の目を覗き込んでくるから視線に困る。

「じゃあ」と言って右手を挙げた。

私はおそらく「きょとん」とした顔をしたと思う。

「俺、どう?なーんてね」

冗談風を装っているけど、何も面白くない。
私は作り笑顔で「えー、はやいはやいー」と笑い流し、お腹いっぱいなのに枝豆を口に入れ込む。

めんどくさ。

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