新そよ風に乗って 〜慕情 vol.1〜
「ほら……ハイブリッジって、 まったくそういう事に関してポーカーフェイスだからわからないのよ。 口硬いしさぁ……でも、 きっとどっからも漏れて来ないところを見ると、 ないと思うよ。 それに……陽子も異動ないでしょう。 今の状態では……もしそんな事になったら、 私が黙ってないわよ」
「まゆみ……」
何故か、 涙が出てきてしまった。
「またぁ。 泣かないでよ。 大丈夫だって……変に不安にさせるような事言っちゃって、 ごめんね。 それに、 ハイブリッジだって……」
トントン。
エッ……。
「はい」
今度は、 誰だろう?
ドアをノックする音がして、 代わりにまゆみが返事をすると、 スッとドアが引かれた途端、 思わずまゆみと顔を見合わせてしまった。 まさに今、 まゆみが話していた人……そこには高橋さんの姿があった。
どうしよう。 私……今どんな顔してる?
すると立ち上がって、 まゆみは病室の中に入ってきた高橋さんの前に立ちはだかった。
まゆみ……。
「こんにちは!」
「こんにちは」
対峙する高橋さんとまゆみの姿を、 ベッドに寝ながら見守る事しか出来ない。
まゆみ……。 お願いだから、 何も言わないで。
「陽子。 また来るね」
「えっ? だって、 まゆみ。 今来たばっかりなのに……」
「お大事にね。 早く元気になるんだよ」
そう言ってまゆみは私の方に向けていた身体を、 今度は目の前の高橋さんへと向けた。
「頭のいい部長さんの事だから、 私の言いたい事は百も承知かもしれないけど……」
「……」
「まゆみ!」
「いい加減、 余計な邪心は捨てて。 自分にとって、 何が一番大事なのか。 胸に手を当てて、 よーく考えてみた方がいいわ! それじゃ……」
まゆみはそれだけ言うと、 高橋さんの横を通り過ぎてドアを開けた。
「神田さん」
「まゆみ……」
何故か、 涙が出てきてしまった。
「またぁ。 泣かないでよ。 大丈夫だって……変に不安にさせるような事言っちゃって、 ごめんね。 それに、 ハイブリッジだって……」
トントン。
エッ……。
「はい」
今度は、 誰だろう?
ドアをノックする音がして、 代わりにまゆみが返事をすると、 スッとドアが引かれた途端、 思わずまゆみと顔を見合わせてしまった。 まさに今、 まゆみが話していた人……そこには高橋さんの姿があった。
どうしよう。 私……今どんな顔してる?
すると立ち上がって、 まゆみは病室の中に入ってきた高橋さんの前に立ちはだかった。
まゆみ……。
「こんにちは!」
「こんにちは」
対峙する高橋さんとまゆみの姿を、 ベッドに寝ながら見守る事しか出来ない。
まゆみ……。 お願いだから、 何も言わないで。
「陽子。 また来るね」
「えっ? だって、 まゆみ。 今来たばっかりなのに……」
「お大事にね。 早く元気になるんだよ」
そう言ってまゆみは私の方に向けていた身体を、 今度は目の前の高橋さんへと向けた。
「頭のいい部長さんの事だから、 私の言いたい事は百も承知かもしれないけど……」
「……」
「まゆみ!」
「いい加減、 余計な邪心は捨てて。 自分にとって、 何が一番大事なのか。 胸に手を当てて、 よーく考えてみた方がいいわ! それじゃ……」
まゆみはそれだけ言うと、 高橋さんの横を通り過ぎてドアを開けた。
「神田さん」