新そよ風に乗って 〜慕情 vol.1〜
高橋さんだ。
あっ……。
でも、もしかしたらせっかくプレゼントを選んでいるところだったら悪いので、そのまま慌てて上りエスカレーターの方に廻った。
結局、色々見てまわっているうちに、待ち合わせの5分前になってしまい、急いで待ち合わせの場所に向かう途中、もう高橋さんが立って居るのがチラッと見えた。
急がなくちゃ。
あれ?
見ると、女性2人に高橋さんが話し掛けられている。
私の知らない女性2人。この人達、誰?
思わず立ち止まって、暫く少し離れた場所から様子を見ているような感じになってしまった。
女性の1人が煙草を吸いながら高橋さんに話し掛けていて、もう1人の女性は、相づちを打つように高橋さんの前方を塞いでいる格好だった。
そういう高橋さんは、壁にもたれ掛かりながらも全く視線を合わせようとせず、何となく無視している様子に見える。
遠目に見ても、高橋さんの顔は無表情で真剣に仕事している時の顔と一緒だった。
一点を見つめたその瞳は、きっと何も映していないのか、とても冷たそうに見て取れる。
しかし、煙草を吸っていた女性が、盛んに身振り手振りを交えて何か言ったその時だった。
いきなり高橋さんが、その女性の煙草を持っている腕を掴んだ。
高橋さん。
どうしたの?
まさか……。
暴力は、駄目!
「駄目……」
咄嗟に、高橋さんの元へと走った。
あっ……。
「何するの? 離してよ!」
あっ……。
でも、もしかしたらせっかくプレゼントを選んでいるところだったら悪いので、そのまま慌てて上りエスカレーターの方に廻った。
結局、色々見てまわっているうちに、待ち合わせの5分前になってしまい、急いで待ち合わせの場所に向かう途中、もう高橋さんが立って居るのがチラッと見えた。
急がなくちゃ。
あれ?
見ると、女性2人に高橋さんが話し掛けられている。
私の知らない女性2人。この人達、誰?
思わず立ち止まって、暫く少し離れた場所から様子を見ているような感じになってしまった。
女性の1人が煙草を吸いながら高橋さんに話し掛けていて、もう1人の女性は、相づちを打つように高橋さんの前方を塞いでいる格好だった。
そういう高橋さんは、壁にもたれ掛かりながらも全く視線を合わせようとせず、何となく無視している様子に見える。
遠目に見ても、高橋さんの顔は無表情で真剣に仕事している時の顔と一緒だった。
一点を見つめたその瞳は、きっと何も映していないのか、とても冷たそうに見て取れる。
しかし、煙草を吸っていた女性が、盛んに身振り手振りを交えて何か言ったその時だった。
いきなり高橋さんが、その女性の煙草を持っている腕を掴んだ。
高橋さん。
どうしたの?
まさか……。
暴力は、駄目!
「駄目……」
咄嗟に、高橋さんの元へと走った。
あっ……。
「何するの? 離してよ!」