新そよ風に乗って 〜慕情 vol.1〜
「乾杯! Happy Christmas!」
明良さんが、手際よく作ってくれた食欲をそそる美味しそうな料理が、テーブルの上に所狭しと並べられ、乾杯が終わってコースターに置いたワイングラスに、窓から注ぎ込む冬の太陽の反射光が時折眩しい。
大好きな高橋さんと、そのお友達と一緒に過ごす、夢のようなChristmas Party。
「あまり、飲み過ぎるなよ」
「はぁい……」
でも、そんな幸せな雰囲気をぶち壊すのも、高橋さん本人だったりする。
「まるで、保護者だな」
仁さんが、ボソッと呟いた。
「そうですよね? 仁さん。 何とか言って下さい。 気持ち良く乾杯して、これからっていう時に、その雰囲気をぶち壊さないで欲しいですよぉ」
そんな訴えにも、仁さんは我関せずと言った感じで、ただ笑っているだけだった。
明良さんの料理に対する拘りは、相当なものらしく、こういった長い時間を掛けて食べる料理に揚げ物は向かないから、今日は一切揚げ物は出て来ないそう。
まずは、冬にやっぱり大人数で食べるには定番の鍋料理から。
温まるし、お酒のつまみにもなるから、一石二鳥。 それに、野菜も一緒に食べられるので白菜やネギ等がたっぷり入っている。
勿論、鍋奉行も明良さん本人である。
それから、お刺身等の生ものは、実際にそれほど量は食べられるものではないので、もう少し食べたいなと思えるぐらいの量にするのが良いのだとか。 今日も、そのぐらいの量にしたとのこと。
そんな明良さんの料理に対する拘りを聞いていると、とても勉強になる。
でも、感心している場合じゃないことも自覚している。 もっと、おもてなし料理を勉強しなくては。 でも、その前に日常の料理のレパートリーを増やせるように頑張らないといけない。
ひと通りお腹を満たした所で、明良さんが言い出した。
「そうだ! みんな、領収書。 領収書を出して。 陽子ちゃんも、領収書を出してね」
「領収書……ですか?」
明良さんにいきなり言われて、何のことだか分からなかった。
「ほら、プレゼントを用意してきたでしょう? そのプレゼントを買った時の領収書」
明良さんに言われて、高橋さんと仁さんがポケットから領収書を出していた。
「はい。 ちょっと、待って下さい」
バッグの中のお財布を取りに立ち上がろうとして、電磁調理器のコードに足を引っ掛けてしまい、躓きそうになった。
「キャッ……」
躓きそうになった私を、左隣に座っていた高橋さんが間一髪、私の腕を掴んでくれたので転ばずに済んだ。
「す、すみません」
「ドジッ」
うっ!
当たっているだけに、肩を窄めてしまった。
明良さんが、手際よく作ってくれた食欲をそそる美味しそうな料理が、テーブルの上に所狭しと並べられ、乾杯が終わってコースターに置いたワイングラスに、窓から注ぎ込む冬の太陽の反射光が時折眩しい。
大好きな高橋さんと、そのお友達と一緒に過ごす、夢のようなChristmas Party。
「あまり、飲み過ぎるなよ」
「はぁい……」
でも、そんな幸せな雰囲気をぶち壊すのも、高橋さん本人だったりする。
「まるで、保護者だな」
仁さんが、ボソッと呟いた。
「そうですよね? 仁さん。 何とか言って下さい。 気持ち良く乾杯して、これからっていう時に、その雰囲気をぶち壊さないで欲しいですよぉ」
そんな訴えにも、仁さんは我関せずと言った感じで、ただ笑っているだけだった。
明良さんの料理に対する拘りは、相当なものらしく、こういった長い時間を掛けて食べる料理に揚げ物は向かないから、今日は一切揚げ物は出て来ないそう。
まずは、冬にやっぱり大人数で食べるには定番の鍋料理から。
温まるし、お酒のつまみにもなるから、一石二鳥。 それに、野菜も一緒に食べられるので白菜やネギ等がたっぷり入っている。
勿論、鍋奉行も明良さん本人である。
それから、お刺身等の生ものは、実際にそれほど量は食べられるものではないので、もう少し食べたいなと思えるぐらいの量にするのが良いのだとか。 今日も、そのぐらいの量にしたとのこと。
そんな明良さんの料理に対する拘りを聞いていると、とても勉強になる。
でも、感心している場合じゃないことも自覚している。 もっと、おもてなし料理を勉強しなくては。 でも、その前に日常の料理のレパートリーを増やせるように頑張らないといけない。
ひと通りお腹を満たした所で、明良さんが言い出した。
「そうだ! みんな、領収書。 領収書を出して。 陽子ちゃんも、領収書を出してね」
「領収書……ですか?」
明良さんにいきなり言われて、何のことだか分からなかった。
「ほら、プレゼントを用意してきたでしょう? そのプレゼントを買った時の領収書」
明良さんに言われて、高橋さんと仁さんがポケットから領収書を出していた。
「はい。 ちょっと、待って下さい」
バッグの中のお財布を取りに立ち上がろうとして、電磁調理器のコードに足を引っ掛けてしまい、躓きそうになった。
「キャッ……」
躓きそうになった私を、左隣に座っていた高橋さんが間一髪、私の腕を掴んでくれたので転ばずに済んだ。
「す、すみません」
「ドジッ」
うっ!
当たっているだけに、肩を窄めてしまった。