五年の想いを抱えて
「あ、もしかして、慎也…?」
私は晴葵の声を聞いて慌てて後ろを振り向く。
気まずそうな顔をした慎也が立っていた。
なんとなく気恥ずかしくて私は晴葵から少し離れた。
「慎也、あ、えっと」
「おめでと」
晴葵の声にかぶせて慎也が言った。
「大切な友達たちが幸せになるとこ見れてよかったよ」
「…友達…」
晴葵のつぶやきに慎也が頷いた。
「じゃ、俺用事あるから帰るわ」
慎也が私たちの横をすり抜ける。