五年の想いを抱えて
「私もたこ焼きかなあ、晴葵は?」

私は何も話さずに微笑んで私たちを眺める晴葵に声をかけた。

「俺は、どこでもいいかな」

「そう?」

「うん」

「じゃあ、とりあえず、大阪城の方向でたこ焼き屋探すか」

歩き出したが、美波と慎也は先にずんずん進んでいく。

私に意味ありげな顔を残して。

しょうがないから、私と晴葵で連れだって後を追った。

私は、なんとなく気まずいが晴葵はそうでもないようだ。
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