五年の想いを抱えて
先輩は授業中のはずなのに。

見るだけで楽しい気持ちだったのが落ちる。

「どうした?画面見て固まってるけど」

いつの間にか私の画面をのぞき込んでいる。

「彼氏?」

私はぱっと顔を上げた。

「いや、ただの先輩」

『今日電話してもいい?』

「玲、この先輩に言い寄られてるの?」

「あ、まあ、うん」

なんとなく晴葵には言いづらかった。

去年の行事で少し関わりがあって、連絡先を交換したら、最初は少しだったのがだんだんしつこくLINEが来るようになった。
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