五年の想いを抱えて
「我慢ってなんだよ。お前が頼んできたんだろうが」

「まあまあ、うっかり誘いそびれたかわいそうな慎也くんを思ってよ」

「おせっかい」

最初に聞いたのが私でも二人の言い合いになるのはいつものことだ。

私はそれを眺めるだけ。

途中まで私と同じように眺めていた晴葵がため息をついた。

「やっぱりか」

「何が?」

私の問いかけは微笑みでごまかされた。

「今だって慎也が二人のこと見つけて心配そ…ちょっとなにすんのよ!」
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