五年の想いを抱えて
とうとう美波の口を慎也がふさいだ。

「ほんとに余計なこと言うな」

それから晴葵の顔をみて慎也が晴葵に寄った。

「そういうことだから、幸せならと思って引いてるけど泣かせたりしたら、そん時は遠慮なく行くんで」

「わかってるよ。泣かせるつもりないんで」

見慣れない陰険な二人の雰囲気に私は一人で焦った。

一方見守る美波は少し楽しげだ。

「じゃあ、明日学校でねー。ほら慎也行くよ」

「じゃあな」
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