2色のハチマキに想いを、



***



結果、杉崎先輩も、倉田先輩も。



そして、──────篠倉明里先輩も。



3人も不在のまま、やってきた体育倉庫。



私は、いま、
〝恋〟してる、篠倉先輩と一緒にいて。



ハチマキのジンクスを、
やるなら今しかないのにっ!



(ぅ、うぅ、私のいくじなし.........っ、)



言葉を出せないまま、次にある、
玉入れのポールに手を伸ばしたとき。



グラリと揺れてしまったポール。



(やっ、やばい!倒れてくる!)



そう、心の中で思った瞬間。



ふわっと、篠倉先輩から優しい香りがして。



「ふー、あぶな。間一髪」



私の背中に感じるのは、
──────篠倉先輩の温もり。


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