別居恋愛 ～もう一度恋からはじめよう～

第七章 嘘だと言って Side瞳

1. 幸せな日常

　毎週土曜日にしていた二人の会話は、瞳が自分の家に帰ってきてからは日課になっていた。毎晩眠る前に必ず二人で話をしている。その時間は瞳を深く安心させてくれた。

「瞳。今日もありがとうな。瞳がいる家はやっぱり居心地がいい」
「私も拓海といると落ち着く。すごく安心する」
「そうか。瞳がずっと安心していられるように頑張るよ」
「ありがとう、拓海。でも、頑張りすぎちゃダメだよ？」
「わかってるよ。でも、それはお互い様だからな？」
「うん」

　拓海はいつもねぎらいの言葉をかけてくれるから、瞳も拓海を大事にしたい気持ちでいっぱいになる。拓海を想う気持ちで溢れかえって、それが自然と言葉としてこぼれ落ちる。そうすると拓海も想いを返してくれるから、二人の空気はいつも温かい。この家に帰ってきてからというもの、ずっと優しくて温かい空気に包まれているから、瞳はすこぶる調子がいい。毎日が輝いている。