別居恋愛 ~もう一度恋からはじめよう~
「瞳、弁当ありがとうな。今日、弁当食ってたらさ、『愛妻弁当ですか?』って同僚に聞かれたから、『大好きな妻の手作り弁当です』って答えといた」
瞳がこの家に帰ってきた日、突然拓海から弁当を作ってほしいとお願いされ、瞳は弁当を作ってあげるようになった。拓海は随分と瞳の料理を気に入ってくれているらしい。瞳の料理が食べたいからと言われれば、喜んで引き受けるしかないだろう。まだほんの数回だけだが、拓海は毎回嬉しそうに瞳が作った弁当を受け取っている。拓海が喜んでくれて瞳も嬉しいが、変な惚気はやめてほしい。
「ちょっと何言ってるの……そんなこと言ってからかわれないの?」
「別にからかわれないよ。『羨ましい』って言われただけだ」
「そう。なんかちょっと恥ずかしい……拓海以外に見られるなんて考えてなかったし」
ある程度彩りは気にしているが、誰かに見せることを前提に作っているわけではない。あくまでも拓海が美味しく食べられるようにということだけ考えて作っている。自分の知らない誰かが見ているのかと思うとどうにも落ち着かない。
「恥ずかしくなんてないから。俺はいつも自慢したいくらいだよ」
「えぇ? そんな自慢するようなものじゃないよ」
「自慢するようなものなんだよ。会社でも瞳の料理食べられるなんて本当に幸せだから。もっと早くにお願いしてればよかった」
「早くに気づけばよかったね。結婚前は自分のお弁当作ってたけど、結婚したときはもう会社勤めじゃなくなって、作らなくなってたからなー」
瞳も弁当だったなら、きっと一緒に拓海の分も作ることを提案していたと思う。でも、ずっと在宅で仕事をしているから、弁当は作っていなかった。
「俺も弁当を持ってくっていう発想がなかった。でも、瞳が実家いる間にいろいろおかず持たせてくれるようになって、それで弁当作ってもらいたいなって思ったんだよな」
「そうだったんだ」
「ああ。本当にありがとうな。無理はしなくていいけど、これからも作ってくれたら嬉しい」
「もちろん。拓海が喜んでくれて私も嬉しいしね」
二人の間にはとても優しい空気が流れていて、二人は目を合わせると自然と微笑み合った。
瞳がこの家に帰ってきた日、突然拓海から弁当を作ってほしいとお願いされ、瞳は弁当を作ってあげるようになった。拓海は随分と瞳の料理を気に入ってくれているらしい。瞳の料理が食べたいからと言われれば、喜んで引き受けるしかないだろう。まだほんの数回だけだが、拓海は毎回嬉しそうに瞳が作った弁当を受け取っている。拓海が喜んでくれて瞳も嬉しいが、変な惚気はやめてほしい。
「ちょっと何言ってるの……そんなこと言ってからかわれないの?」
「別にからかわれないよ。『羨ましい』って言われただけだ」
「そう。なんかちょっと恥ずかしい……拓海以外に見られるなんて考えてなかったし」
ある程度彩りは気にしているが、誰かに見せることを前提に作っているわけではない。あくまでも拓海が美味しく食べられるようにということだけ考えて作っている。自分の知らない誰かが見ているのかと思うとどうにも落ち着かない。
「恥ずかしくなんてないから。俺はいつも自慢したいくらいだよ」
「えぇ? そんな自慢するようなものじゃないよ」
「自慢するようなものなんだよ。会社でも瞳の料理食べられるなんて本当に幸せだから。もっと早くにお願いしてればよかった」
「早くに気づけばよかったね。結婚前は自分のお弁当作ってたけど、結婚したときはもう会社勤めじゃなくなって、作らなくなってたからなー」
瞳も弁当だったなら、きっと一緒に拓海の分も作ることを提案していたと思う。でも、ずっと在宅で仕事をしているから、弁当は作っていなかった。
「俺も弁当を持ってくっていう発想がなかった。でも、瞳が実家いる間にいろいろおかず持たせてくれるようになって、それで弁当作ってもらいたいなって思ったんだよな」
「そうだったんだ」
「ああ。本当にありがとうな。無理はしなくていいけど、これからも作ってくれたら嬉しい」
「もちろん。拓海が喜んでくれて私も嬉しいしね」
二人の間にはとても優しい空気が流れていて、二人は目を合わせると自然と微笑み合った。