別居恋愛 ～もう一度恋からはじめよう～

　そうして母からの連絡を待ち続けていた瞳だが、その知らせをくれたのは母ではなくて聖からの電話だった。

『姉ちゃん！　俺、受かった！　合格してた！』

　それを聞いた瞬間、瞳は嬉しくて軽く飛び跳ねていた。

『よかった！　よかったね、聖！　おめでとう！　本当に頑張ったね。おめでとう、聖』
『ありがとう、姉ちゃん。姉ちゃんと拓兄のおかげ』
『ふふ。聖が頑張ったからだよ。本当によく頑張ったね。お祝いに行くからね』
『ありがとう！　拓兄も来る？』

　その問いに思ず笑みが漏れた。聖は本当に拓海が大好きらしい。

『うん、拓海も連れていくよ』
『やった。拓兄って、今は仕事中？』
『そうだね。会社に行ってる』
『じゃあ、拓兄帰ってきたら教えて？　拓兄にも電話する』
『うん、わかった。帰ってきたら連絡するね』

　本当はすぐにでも拓海に知らせてやりたい。でも、きっと聖は自分の口で言いたいだろうとそこはグッと我慢して、瞳はようやく仕事に取りかかったのだった。