別居恋愛 ～もう一度恋からはじめよう～

　拓海はいつもの時間に帰宅してくると、落ち着かない様子で瞳に問いかけてきた。

「瞳、聖どうだった？」

　拓海もずっと気にしていたのだろう。聖が言うまでは隠さなければいけないと思うが、勝手に頬が緩んでしまって、まったく隠せている気がしない。瞳の表情を見た拓海はどこかワクワクとした表情になっているから、きっともうばれているだろう。

「ダメだ。ふふ、これじゃあ、バレバレだね。でも、本人から聞いてあげて？　今、拓海帰ってきたって連絡したから、拓海のほうに電話かかってくると思う」
「わかったよ。って、早速きた。はは、知らないふりして聞いてやるか」

　聖の声は聞こえないが拓海の返しからどんな会話をしているのかわかる。拓海はオーバー気味に喜んでいて、その姿に瞳は堪えきれずに隣でクスクスと笑っていた。