別居恋愛　～もう一度恋からはじめよう～

4. 逃避

　瞳は何も考えたくなくて、何時間もベッドに横たわってぼーっとしていた。昼食も取らないでいたけれど、お腹はちっとも減らなかった。夕方近くになってようやく動きはじめたけれど、瞳は結局逃げの選択をしてしまった。

　本当はちゃんと拓海と向き合わなければならないとわかっていた。拓海が帰ってくるのを待って話し合うべきだとわかっていた。けれど、それはどうしても怖くて、瞳は適当な理由をつけて芳恵のところへ逃げてきてしまったのだ。

　夕飯だけ作っておき、拓海には今日は芳恵の家に泊まると連絡した。それを受けた拓海に瞳を疑っている様子はなく、ただ、楽しんでおいでと言ってくれただけだった。



　拓海に連絡をする前に芳恵には確認の連絡を入れていたが、芳恵は突然泊めてほしいと言った瞳のことを何も言わずに受け入れてくれ、夕飯まで用意してくれたのだった。

　そして、二人で夕飯を食べたあと、芳恵はようやく瞳に問うてきた。
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