別居恋愛 ~もう一度恋からはじめよう~
 初日の夜から、こんなやりとりがあった。

「ちょっと聖! トイレの電気つけっぱなしにしない! ちゃんと消しなさい」
「はーい」

 でも、こんなのはまだかわいいほうで、別の日には……

「あ、もうラッパ飲みしたらダメ! 菌が繁殖しちゃうでしょ!」
「姉ちゃん、小姑みたい」
「はあ? あんたね、誰のおかげでここで暮らせてると思ってんの?」
「……ごめんなさい」

 こんな調子で一歩進むたびに文句を言いたくなる。瞳が注意をすれば、一応返事はしてくれるものの、まったく響いている感じがしない。実際、数日の間に何度も同じことを注意して頭を抱えたくなった。しかも、中には学生ならではの困った出来事もあって、瞳はそれにさらに頭を悩ませた。

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