別居恋愛 ~もう一度恋からはじめよう~
けれど、時々淋しくはなるのだ。瞳と拓海は互いに二十六歳で結婚し、六年が経った今は三十二歳。今の時代からすればまだまだ若い部類に入るはず。ときめきが欲しくなるのも仕方ないと思うのだ。今でも甘いことを言われたいし、かわいがられもしたい。
でも、それはもう拓海には求められないから、漫画だとかドラマだとかでときめきを補給するのだ。現実には存在しない甘い台詞ばかり言うイケメンを見て、胸をキュンとさせる。でも、それはほんのひと時のときめきでしかないから、すぐに空しい現実が戻ってきて、何とも言えない淋しさを再び抱えてしまう。そして、それを今度はまた別のコンテンツで埋める。そうして日々淋しさをごまかしながら生きている。
でも、それでいい。余計なことを言って拗らせたくはない。いざというときに頼り合える存在でいられればいい。ただ、家族であればそれでもう十分に幸せだと信じている。いつか時が経って、今の時間も色褪せてしまえば、あのときは幸せだったのだとそう思える日がくる。瞳はそんなふうに考えていた。
でも、それはもう拓海には求められないから、漫画だとかドラマだとかでときめきを補給するのだ。現実には存在しない甘い台詞ばかり言うイケメンを見て、胸をキュンとさせる。でも、それはほんのひと時のときめきでしかないから、すぐに空しい現実が戻ってきて、何とも言えない淋しさを再び抱えてしまう。そして、それを今度はまた別のコンテンツで埋める。そうして日々淋しさをごまかしながら生きている。
でも、それでいい。余計なことを言って拗らせたくはない。いざというときに頼り合える存在でいられればいい。ただ、家族であればそれでもう十分に幸せだと信じている。いつか時が経って、今の時間も色褪せてしまえば、あのときは幸せだったのだとそう思える日がくる。瞳はそんなふうに考えていた。