別居恋愛 ~もう一度恋からはじめよう~
それから二人は大きな問題もなく順調に交際を重ねていった。
付き合っていくうちに、瞳が普通の人よりもこだわりの強い人間であることはわかったが、それも瞳の個性だと思って特段気にすることはなかった。瞳とずっと一緒にいる未来も疑わなかった。さすがに二十代前半で結婚まで意識することはなかったが、それでもいつかはするんだろうなと拓海は思っていた。
そして、二人に大きな転機が訪れたのは大学を卒業してから二年が過ぎたころ。瞳の転職がきっかけだった。
フリーランスで働きはじめるのを機に実家に帰るかどうか迷っていると瞳から相談されて、拓海は大きな決意を固めたのだ。瞳が実家に帰ってしまえば、今よりも会える時間は少なくなってしまう。それなら実家に帰るのではなく、拓海と一緒に暮らしてほしいと思った。瞳は働く場所を選ばない仕事なら一人暮らしの家賃や生活費がもったいないという理由で実家に帰ることを検討していたから、拓海と暮らすという選択でもいいのではないかと思ったのだ。
ただ、瞳の性格からして、あまり同棲は好まない気がしたから、拓海は同棲を提案するのではなく、そのタイミングで瞳にプロポーズをした。どうせずっと一緒にいると思っていたのだから、結婚に踏み切っても問題ないと思った。
瞳は拓海のプロポーズに泣いて喜んでくれたが、自分の収入がどうなるかわからない状態で結婚することに不安がってもいた。拓海はそんな瞳を、贅沢しなければ拓海一人の収入でもなんとかなるからと説得し、プロポーズから約一年後に二人は結婚すると同時に一緒に暮らしはじめた。
付き合っていくうちに、瞳が普通の人よりもこだわりの強い人間であることはわかったが、それも瞳の個性だと思って特段気にすることはなかった。瞳とずっと一緒にいる未来も疑わなかった。さすがに二十代前半で結婚まで意識することはなかったが、それでもいつかはするんだろうなと拓海は思っていた。
そして、二人に大きな転機が訪れたのは大学を卒業してから二年が過ぎたころ。瞳の転職がきっかけだった。
フリーランスで働きはじめるのを機に実家に帰るかどうか迷っていると瞳から相談されて、拓海は大きな決意を固めたのだ。瞳が実家に帰ってしまえば、今よりも会える時間は少なくなってしまう。それなら実家に帰るのではなく、拓海と一緒に暮らしてほしいと思った。瞳は働く場所を選ばない仕事なら一人暮らしの家賃や生活費がもったいないという理由で実家に帰ることを検討していたから、拓海と暮らすという選択でもいいのではないかと思ったのだ。
ただ、瞳の性格からして、あまり同棲は好まない気がしたから、拓海は同棲を提案するのではなく、そのタイミングで瞳にプロポーズをした。どうせずっと一緒にいると思っていたのだから、結婚に踏み切っても問題ないと思った。
瞳は拓海のプロポーズに泣いて喜んでくれたが、自分の収入がどうなるかわからない状態で結婚することに不安がってもいた。拓海はそんな瞳を、贅沢しなければ拓海一人の収入でもなんとかなるからと説得し、プロポーズから約一年後に二人は結婚すると同時に一緒に暮らしはじめた。