別居恋愛 ~もう一度恋からはじめよう~
「ホットプレートまだ熱いから気をつけろよ?」
「うん。ありがとう。あの、もう大丈夫だから」

 拓海と近い距離でいるのがどうにも恥ずかしくて、今はもう離れてくれと思い、そう口にした。

「ああ。何もないとこで躓くなんて珍しいな」
「何か踏んじゃって……ん? 何だろ?」

 踏んだものを拾い上げてみると何かのキャラクターのキーホルダーのようだった。

「あ、それ俺の」

 聖が瞳に腕を伸ばしてくる。キーホルダーを寄こせと言っているのだろう。

「はあ……はい。ちゃんと片づけといて」
「はーい」
「聖、今片づけてこい。また踏んだりしたら危ないから」
「えー、今?」
「危うく瞳怪我するところだったんだぞ? 怪我させたら嫌だろ?」
「わかった……片づけてくる」

 聖は拓海の言葉に大人しく従い、キーホルダーを片づけに自室へ戻っていった。
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