別居恋愛 ~もう一度恋からはじめよう~
 そのあとは自室から戻ってきた聖にも手伝わせて三人で片づけたから、リビングはあっという間にきれいな状態へと戻った。

 片づけが終わる頃には、先にスイッチを入れておいたお風呂のお湯も沸いていたから、聖に早く風呂へ入るよう促した。聖はいつもだらだらとしてすぐには風呂に入ってくれないのだが、今日ばかりは早く入ってほしかった。

「聖、今日は早めにお風呂入って。焼肉の匂いついてるから、服も洗濯したいし」
「はーい」
「聖、今から入ってこいよ」
「えー。拓兄帰っちゃわない?」
「ちゃんとお前が上がるまで待ってるから」
「絶対?」
「ああ、絶対帰らないから。ちゃんとゆっくり入れよ」
「わかった。じゃあ、風呂入ってくる」

 拓海に言われて聖はすんなりと風呂場へ向かっていった。拓海がいると本当に楽で助かる。

「ありがとう、拓海。いっつもぐずぐずするから助かった」
「いや。それより、瞳、こっち」

 拓海に手を引かれてソファーへと座らされた。拓海も瞳の隣に座ってくる。
< 54 / 156 >

この作品をシェア

pagetop