別居恋愛 ~もう一度恋からはじめよう~
 布団を敷いたあとはしばらくリビングで過ごしていたが、聖に就寝の挨拶を済ませたあとは、瞳と二人で瞳の部屋へと移動した。

「拓海、本当にありがとう。聖の勉強のこともそうだけど、今日いろいろ手伝ってくれたし、やっぱり聖は拓海の言うことよく聞いてくれるから、すごく助かる」
「このくらい大したことないから。頼ってくれたら俺も嬉しいし」
「拓海……拓海は本当に優しいね。拓海が何かしてくれるの嬉しい。すごく嬉しいよ。ねぇ、私も何か拓海のためにできることあったら言って? 拓海のために何かしたい」
「瞳……」

 やはりちゃんと拓海が瞳を思いやって行動すれば、瞳はそれに応えてくれる。こんなにも簡単なことなのに、どうしてそれができなくなっていたのだろうと呆れてしまう。自分の愚かさに反吐が出そうだ。でも、二人の関係が本当に壊れてしまう前に、こうして気づけて拓海は心の底から安堵した。また、少しずつ想い合う関係を築いていきたいとそう思う。

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