別居恋愛 ～もう一度恋からはじめよう～

2. 近況報告

　今日はどのおかずを食べようかなんて考えながら、会社から帰ろうとした矢先に、優から唐突なお誘いがきた。できれば瞳が作ってくれた料理を食べたいし、帰る気だったところ店まで移動するのは正直面倒くさい気持ちもあったが、前回拓海の話をいろいろと聞いてもらったから、さすがに礼を言うべきだろうと拓海はその誘いに乗ってやることにした。




「今日は正気か？」

　開口一番に優は随分と失礼なことを言ってきたが、拓海はそれには触れずに感謝の言葉を述べた。

「……この間はありがとう。順調に瞳と愛を育んでるから大丈夫だよ」
「だから、その溺愛キャラ何なんだよ。怖いんだけど……」
「なんでだよ。自分の奥さん愛してるだけなんだから、別にいいだろ？」
「はいはい」

　優は投げやりな態度で返事してきた。拓海の様子が変わらないとわかって諦めたのだろう。優のその態度に突っ込むとまた同じやり取りの繰り返しになりそうだったから、拓海は優の態度には触れずにそのまま会話を続けた。