女流棋士はクールな御曹司と婚約したい
吉野の執拗な「辞めさせたい」は毎回、吉野の思惑とは裏腹に、桜花の将棋熱を上げていることに、吉野は気づいていない。

毎回どうしたものかと項垂れているが、桜花が将棋を始めたきっかけが、翡翠だということにさえ気づいていない。

吉野の溜め息は重ねるごとに、深く長くなっていた。
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