女流棋士はクールな御曹司と婚約したい
「私は跡取りなど。お見合いをするつもりもありません。私は桜花さん以外の伴侶など、考えておりません」
翡翠は毅然として答える。
「翡翠くん。桜花に将棋をやめるよう、説得してもらえないだろうか」
「それはできません。桜花さんは将棋を指す時、生き生きしておられます。幼い頃から熱心に研鑽されて、女流棋士として活躍されるまで強くなられたのです」
翡翠は桜花に将棋を教えたのは自分だと、声に出して言いたかった。
翡翠は桜花がどれほど懸命に、どれほど楽しそうに将棋を指すかを誰より知っている。
それだけに、自分が将棋を止めろなどとは、誰に命令されたとしても言えるはずなどないし、言う気はさらさらない。
「だが」
「桜花さんは私が説得したところで、棋士をやめるなど思われないほどに、将棋が好きです。私は将棋を指している桜花さんが1番好きです」
翡翠は毅然として答える。
「翡翠くん。桜花に将棋をやめるよう、説得してもらえないだろうか」
「それはできません。桜花さんは将棋を指す時、生き生きしておられます。幼い頃から熱心に研鑽されて、女流棋士として活躍されるまで強くなられたのです」
翡翠は桜花に将棋を教えたのは自分だと、声に出して言いたかった。
翡翠は桜花がどれほど懸命に、どれほど楽しそうに将棋を指すかを誰より知っている。
それだけに、自分が将棋を止めろなどとは、誰に命令されたとしても言えるはずなどないし、言う気はさらさらない。
「だが」
「桜花さんは私が説得したところで、棋士をやめるなど思われないほどに、将棋が好きです。私は将棋を指している桜花さんが1番好きです」