女流棋士はクールな御曹司と婚約したい
8章 応援する理由
7月24日、空港ロビー。
大光建設杯清麗戦の第2局会場へ出発前。
桜花は見送る翡翠と共に、ひとときを過ごしていた。
「桜花。第2局だな、大丈夫か」
「棋譜の研究もいたしましたし、AI対局もいたしましたわ。精一杯闘う、勝つことしか考えていませんわ」
「そうだったな。桜花の将棋はいつも勝つことを最優先の将棋だな」
翡翠は自分が奨励会に在籍していた当時を思い出していた。
桜花が5歳の病室で、ベッドサイドの机を引き出し、翡翠は将棋盤を置いた。
翡翠が将棋のルールを教えると、桜花は目を輝かせ教えを乞い、みるみる上達していった。
「翡翠さんに教えていただいたんですのよ。『一緒に指さないか』と、わたくし5才でしたわ」
「そうだったな。あの頃、俺は奨励会の3段リーグで行き詰まっていた。高校受験と将棋、父にも理解されなくて」
翡翠は懐かしそうに話す。
「そんなふうには見えませんでしたわ」
大光建設杯清麗戦の第2局会場へ出発前。
桜花は見送る翡翠と共に、ひとときを過ごしていた。
「桜花。第2局だな、大丈夫か」
「棋譜の研究もいたしましたし、AI対局もいたしましたわ。精一杯闘う、勝つことしか考えていませんわ」
「そうだったな。桜花の将棋はいつも勝つことを最優先の将棋だな」
翡翠は自分が奨励会に在籍していた当時を思い出していた。
桜花が5歳の病室で、ベッドサイドの机を引き出し、翡翠は将棋盤を置いた。
翡翠が将棋のルールを教えると、桜花は目を輝かせ教えを乞い、みるみる上達していった。
「翡翠さんに教えていただいたんですのよ。『一緒に指さないか』と、わたくし5才でしたわ」
「そうだったな。あの頃、俺は奨励会の3段リーグで行き詰まっていた。高校受験と将棋、父にも理解されなくて」
翡翠は懐かしそうに話す。
「そんなふうには見えませんでしたわ」