女流棋士はクールな御曹司と婚約したい
10章 父と息子の賭け
7月26日、昼過ぎ空港に着いた桜花を翡翠が出迎えた。
車中、翡翠は「頑張ったな」と駅前にリニューアルしたカフェの袋を差し出した。
純香と佳代子に誘われながら、研修会で行けなかったカフェのケーキ詰め合わせだ。
「ありがとうございます。行きたいと思っていましたの」
桜花は目を輝かせた。
「いよいよ第3局。次は清麗戦に王手だな」
「ええ、翡翠さんにいただいた八幡さまのお守りのお蔭ですわ」
「桜花、朝から八幡宮へ行ってよかった。画面に映った桜花、綺麗だった」
「次も油断はできませんわ。見里清麗は躍起になって、形振り構わず向かってきますわ」
桜花は薄く頬を紅くし、次の対局に話を変えた。
「そうだな。気を引き締めて、体調も整えなければな」
翡翠は凄まじい対局になることを予想し、桜花の体調を何より心配していた。
車中、翡翠は「頑張ったな」と駅前にリニューアルしたカフェの袋を差し出した。
純香と佳代子に誘われながら、研修会で行けなかったカフェのケーキ詰め合わせだ。
「ありがとうございます。行きたいと思っていましたの」
桜花は目を輝かせた。
「いよいよ第3局。次は清麗戦に王手だな」
「ええ、翡翠さんにいただいた八幡さまのお守りのお蔭ですわ」
「桜花、朝から八幡宮へ行ってよかった。画面に映った桜花、綺麗だった」
「次も油断はできませんわ。見里清麗は躍起になって、形振り構わず向かってきますわ」
桜花は薄く頬を紅くし、次の対局に話を変えた。
「そうだな。気を引き締めて、体調も整えなければな」
翡翠は凄まじい対局になることを予想し、桜花の体調を何より心配していた。