女流棋士はクールな御曹司と婚約したい
桜花は「またまだ、ここから!」と、両頬を手のひらでパチンと叩き気合いを入れた。

桜花は10分考え、6九角と指した。

見里は手堅く6八飛と指す。

形勢は見里60%、桜花40%とまたまだ桜花の劣勢。

桜花は盤上を見つめ「まだ、諦めません。まだ勝てます」と呟いた。

ーー翡翠さん。私、負けませんわ。絶対に勝ちますわ!

桜花は翡翠の顔を思い浮かべて指し続けた。


終盤、視聴室では端島、萩尾、翡翠も身を乗り出し対局を見守りつつ、声援を送っていた。


対局室。

桜花は劣勢ながらも懸命に勝つ目を手繰り寄せようとしていた。

後手、桜花は6七角、先手の見里は6九飛。

先手、見里の陣形が崩れる。

「まだ諦めません。まだです。まだ、まだ勝てます」

桜花は勝機を探りつつ、懸命に指した。

桜花は飛車を玉で取り返し、後手の見里が7九桂と指す。
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