女流棋士はクールな御曹司と婚約したい
桜花は感想戦をと、譜を並べ始めるたが、見里は俯いたまま譜をならへようとしない。
桜花は無言で立会人を見た。
立会人は無言で、首を横に振った。
それを合図に、対局室に記者が雪崩こんだ。
翡翠は視聴室を飛び出すように出て、対局室へ向かった。
「吉野女流4段、タイトル奪取おめでとうございます」
「凄まじい粘りでしたね。勝てると思っていましたか?」
「ありがとうございます。勝てるかどうかではなく、勝たなければなりませんてしたの。タイトルをどうしても取らなければならなかったんですの」
「対局前に、私の辞書に負けましたはないと仰っていましたが」
「ええ。勝たなければならない理由がありましたの。どうしても負けましたではダメでしたの」
「その理由というのは?」
「これですわ」
桜花は翡翠からもらった八幡宮のお守りをカメラの前に突き出した。
桜花は無言で立会人を見た。
立会人は無言で、首を横に振った。
それを合図に、対局室に記者が雪崩こんだ。
翡翠は視聴室を飛び出すように出て、対局室へ向かった。
「吉野女流4段、タイトル奪取おめでとうございます」
「凄まじい粘りでしたね。勝てると思っていましたか?」
「ありがとうございます。勝てるかどうかではなく、勝たなければなりませんてしたの。タイトルをどうしても取らなければならなかったんですの」
「対局前に、私の辞書に負けましたはないと仰っていましたが」
「ええ。勝たなければならない理由がありましたの。どうしても負けましたではダメでしたの」
「その理由というのは?」
「これですわ」
桜花は翡翠からもらった八幡宮のお守りをカメラの前に突き出した。