幽霊の依子さんは 今日も旦那様を愛す
数日後。
私、姫川弥生は大浜駅のホームで、電車を待つ行列の中に大路さんを見かけた。
声をかけてみようか?
と一瞬考えたが、やめた。
なぜならきちんと並んで電車を待っているところへ割り込むことになるのはマナー違反だから。
それに覚えられてなかったら悲しいから。
※※※
「えー!そこは声かけてもいいんじゃないですかー?」
職場の後輩がランチを食べながら言った。
「でも覚えてなかったら、私怪しくない?」
「いやいや。膝枕で寝るような女、忘れるわけないですよ」
「人生で見知らぬ女の子に膝枕で寝られることって、そうそうないから。相当なインパクトよ」
先輩も唐揚げを頬張りながら頷いた。
「その人、そんなにイケオジだったんですか?」
味噌汁を啜りながら、後輩が尋ねた。
「うん。ダンディー。顔好し。声好し。性格好し。だね」
「へえー」
「見てみたーい」
「で、独身?」
え?独身か?
「さあ?」
「「「はあ~?」」」
声を揃えた3人に、
「そこ、ちゃんとチェックしましょうよ」
と、お叱りを受けたのだった。
※※※
私、姫川弥生は大浜駅のホームで、電車を待つ行列の中に大路さんを見かけた。
声をかけてみようか?
と一瞬考えたが、やめた。
なぜならきちんと並んで電車を待っているところへ割り込むことになるのはマナー違反だから。
それに覚えられてなかったら悲しいから。
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「えー!そこは声かけてもいいんじゃないですかー?」
職場の後輩がランチを食べながら言った。
「でも覚えてなかったら、私怪しくない?」
「いやいや。膝枕で寝るような女、忘れるわけないですよ」
「人生で見知らぬ女の子に膝枕で寝られることって、そうそうないから。相当なインパクトよ」
先輩も唐揚げを頬張りながら頷いた。
「その人、そんなにイケオジだったんですか?」
味噌汁を啜りながら、後輩が尋ねた。
「うん。ダンディー。顔好し。声好し。性格好し。だね」
「へえー」
「見てみたーい」
「で、独身?」
え?独身か?
「さあ?」
「「「はあ~?」」」
声を揃えた3人に、
「そこ、ちゃんとチェックしましょうよ」
と、お叱りを受けたのだった。
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