幽霊の依子さんは 今日も旦那様を愛す
   ※※※

「すみませーん!すみませーん!」

私、姫川弥生は奥に向かって声を張った。



「すみませーん!大路さんが、修平さんが熱があるみたいなんですけどー」

物音一つせず、人の気配がない。


今日、奥さんお留守なの?

「いない」
左肩に手が置かれた。

「ありがとう。もう大丈夫だから」

離れようとしてフラッとする大路さんを支える。


「フラフラじゃないですか!あと少し頑張ってください!ほら、靴脱いで」

私の言うことに大人しく従って靴を脱いだ。


「おじゃまします」

奥さんが不在・・・。

緊張しながら奥へ進んだ。
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