幽霊の依子さんは 今日も旦那様を愛す
「ごめん、あっちへ」

大路さんが行ったのは寝室ではなく、リビングだった。


「ただいま」
と呟いた大路さんは水の入ったグラスを手に取った。


あ・・・。私は理解した。



「大路さん・・・」

「あ、姫川さん、はぁはぁ。今日はありがとう。はぁはぁ」

「大路さん、息が切れてますよ。グラスのお水を代えたらいいですか?」
「あ、うん」
「お花の水も代えますね」
「うん」

「大路さんはベッドに入りましょう。着替え、一人でできますか」
「あ、うん」


大路さんを支えて寝室へ向かった。


< 27 / 45 >

この作品をシェア

pagetop