幽霊の依子さんは 今日も旦那様を愛す
私、大路依子はスマホを耳に当て、楽しそうに話す修平を見つめていた。
優しい話し方。
うん、うんと言いながら頷く様子。
楽しそうに笑う声。
愛しそうなその瞳。
「また明日。おやすみ、姫川さん」
私は、修平のこの声を、この顔を知っている。
修平が姫川さんのことを愛しく思っていることが、手に取るように分かる。
ソファから立ち、電気を消してリビングを出た修平が戻ってきた。
「おやすみ、依子」
私の遺影に声をかけて、再びリビングを出て寝室へ向かった。
もう、潮時だ。
修平の傍にいてはいけない。
修平の幸せのために、私はここにいてはいけないんだ。
涙がこぼれる。
ーーー来月。
私の十三回忌がある。
優しい話し方。
うん、うんと言いながら頷く様子。
楽しそうに笑う声。
愛しそうなその瞳。
「また明日。おやすみ、姫川さん」
私は、修平のこの声を、この顔を知っている。
修平が姫川さんのことを愛しく思っていることが、手に取るように分かる。
ソファから立ち、電気を消してリビングを出た修平が戻ってきた。
「おやすみ、依子」
私の遺影に声をかけて、再びリビングを出て寝室へ向かった。
もう、潮時だ。
修平の傍にいてはいけない。
修平の幸せのために、私はここにいてはいけないんだ。
涙がこぼれる。
ーーー来月。
私の十三回忌がある。